- 2026年4月9日
前立腺がんについて(原因、症状)
今回は、日本人男性が最もかかりやすい癌といわれている『前立腺がん』についてお話します。前立腺がんは高齢の男性にみられ、60歳以降から罹患率が増加しますが、最近では50歳代で発見されることも少なくありません。
一般的に癌と聞くと、すぐ手術するとか抗がん剤などを想像するかもしれませんが、簡単に言わしていただきますと早期発見できればほぼ癌が原因で致命的になることはありません。したがって、早期発見が非常に重要であり早期発見で最も有用なのが血液検査でのPSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検査です。50歳を過ぎれば少なくとも一度は検査を受けていただくことをお勧めします。
前立腺がんの発症原因
発症原因としては決定的な原因というものは解明されておりませんが、テストステロンという男性ホルモンが発生と進行に関与することがわかっています。近年では、高齢化や食生活の欧米化(脂質の摂り過ぎ)が原因で前立腺がん患者が増えています。そのほか、家族(父親、兄弟)が前立腺がんにかかった人がいる場合は発症リスクが高まりますので、ご家族に前立腺がんの既往がある患者さまは40歳代からのPSA検査を受けていただくことをお勧めします。患者さまからはたまに、『予防はありますか?』と質問されることはありますが『これをすれば100%予防できる』という習慣はありません。リスクを下げる可能性として注目されているものが、豆腐や納豆といった大豆製品(イソフラボン)やトマトなどに含まれるリコピン(抗酸化物質)、そのほか適度な運動や体重管理なども挙げられます。しかし、発症原因には年齢や遺伝など不変的なものも多く含まれているため患者さまには『原因や予防』を知ることも大事ですが、『早期発見』が非常に重要であることをたびたび説明させていただいております。
前立腺がんの症状
症状としては早期発見の場合はほぼ無症状のことが多いです。解剖上、前立腺は膀胱-前立腺-尿道という構造であり局所がんの発症程度では膀胱・尿道からは離れているため症状はでないことがほとんどで一般的にもゆっくりと進行するため排尿の症状には影響はおよぼしません。したがって、早期の前立腺がんは無症状であることが多くたまたまのPSA検診での異常や別の病気でかかっているときに偶然にPSA検査を施行したときに発見されることがほとんどです。逆に進行している前立腺がんだと膀胱、尿道などにも影響をおよぼし尿道が圧迫されると軽い症状だと頻尿や残尿感、重い症状だと尿が出ないなどの症状、膀胱に浸潤すると血尿などの症状を引き起こします。さらに進行がすすむと発見時には骨やリンパ節に転移がすすんでいる場合があり、腰や背中の痛みや稀に足の麻痺などの重篤な症状が現れることがあります。そのため、自覚症状が現れる前の発見と治療が大切です。
以上、前立腺がんの原因、症状などを説明させていただきました。検査、治療に関しは後述させていただきます。
前立腺がんは早期発見が非常に重要ながんであり、PSA検査が非常に有用です。『検診で数値が高かった』、『最近のトイレの悩み』があるという方は泌尿器科専門医がしっかり診させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。