- 2026年6月30日
- 2026年7月2日
痛風(高尿酸血症)について
血液中の尿酸が増えすぎた状態を高尿酸血症といいます。食生活の影響を受けやすく、「贅沢病」と呼ばれることもあります。痛風発作は、「風が当たるだけで痛い」といわれるほど強い痛みが突然起こる関節炎で、主に足の親指の付け根にみられます。患者は30〜50代の男性に多く、女性ではまれです。発作の痛みは数日で自然におさまることが多いため、原因である高尿酸血症を放置してしまう人も少なくありません。なお、高尿酸血症自体には自覚症状がほとんどありません。数値としては、尿酸値が7mg/dl以上で高尿酸血症と診断されます。8mg/dl以上で合併症(腎障害・高血圧・糖尿病・肥満など)がある場合、または9mg/dl以上の場合は、薬物療法を含む治療が検討されます。治療中は尿酸値を6mg/dl以下に保つことが目標です。
尿酸が結晶化すると関節や腎臓に蓄積し、関節では痛風発作、腎臓では腎障害や尿路結石の原因になります。放置すると再発を繰り返し、合併症のリスクも高まります。また高尿酸血症はメタボリックシンドロームと関連し、動脈硬化の進行にもつながります。
<結石、腎不全>
尿路結石のうち尿酸が原因となるものは約5%ですが、高尿酸血症は結石全体の約9割を占めるカルシウム結石(シュウ酸カルシウム・リン酸カルシウム)もできやすくするとされています。また、尿酸は腎臓内にも結晶としてたまり、「痛風腎」を引き起こし、重症化すると腎不全の原因になります。さらに、尿酸が作られる過程で生じる酸化ストレスは動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高めます。つまり、高尿酸血症は痛風だけでなく、腎臓や心血管の病気とも深く関係しています。
<原因の分類>
・尿酸排泄低下型(約50%)
最も多いタイプで、尿酸の排泄が低下することで起こります。遺伝の影響のほか、肥満や過度の飲酒、慢性腎臓病、利尿薬の使用などが関係します。
・尿酸産生過剰型(約20%)
尿酸が過剰に作られるタイプで、プリン体の多い食品(ビールやレバーなど)の過剰摂取が原因になります。
・混合型(約30%)
排泄低下と産生過剰の両方が関与するタイプです。
<検査・診断>
痛みがある場合、それが痛風発作かどうかは、典型的な症状があれば多くの場合、特別な検査を行わなくても診断できます。
・スクリーニング検査として、血液や尿検査で尿酸値(7以上で高尿酸血症)をチェック
・尿酸クリアランス検査・・・詳しい検査としては、高尿酸血症が「産生過剰型」か「排泄低下型」かを調べるには、血液検査と尿検査を組み合わせた尿酸クリアランス検査
を行います。通常は24時間蓄尿が必要ですが、実際には1時間蓄尿で行う簡便法がよく
用いられます。そのほか、血液検査や尿検査で、高尿酸血症による腎機能障害の有無を
確認できます。また、尿路結石の有無は尿検査や超音波検査(腹部エコー検査)で調べ
ます。さらに、高尿酸血症は脂質異常症・糖尿病・高血圧を合併しやすいため、血圧
測定や血液検査でコレステロール、中性脂肪、血糖値なども確認させていただきます。
<治療>
まず、痛風発作時はNSAIDs(消炎鎮痛薬)/ステロイドなどで炎症を抑えます。
痛みが治まったら、尿酸値を下げる薬を開始します。ただし、痛風発作中は尿酸を下げる薬を開始しない方がいいです(痛みが増強される場合があるため)。内服薬には、尿酸の産生を抑える薬(アロプリノール/フェブキソスタット/トピロキソスタット)と、排泄を促す薬(ベンズブロマロン/プロベネシド/ドチヌラド)の2種類があります。排泄促進薬では尿路結石予防のため、尿をアルカリ化する薬を併用することもあります。内服薬の選択には検査を行うこともありますが、実際には少量の産生抑制薬から始め、効果を見ながら調整することが多く、目標は尿酸値6.0mg/dl以下です。治療の目安は、痛風発作の既往があれば尿酸値に関わらず開始し、その他では7mg/dl以(発作歴あり)、8mg/dl以上(合併症あり)、9mg/dl以上の場合に治療が推奨されます。
☆ 高尿酸血症や痛風の予防には、生活習慣の改善が非常に重要です。まず、食事量を減らして体重を落とすことが最も効果的で、これだけでも尿酸値はある程度低下します。また、アルコールを減らすことも重要です。ビールだけでなく、プリン体ゼロの発泡酒でも尿酸値は上昇します。アルコール自体に、体内での尿酸産生を増やす作用があるためです。いずれにせよ、食事摂取やアルコールを控えることが大事だといえます!