- 2026年4月16日
ボツリヌス毒素(ボトックス®)膀胱壁内注入療法について
『ボトックス®膀胱壁内注入療法』は、膀胱鏡を用いて膀胱の壁内(筋肉)にA型ボツリヌス毒素を注射する治療法で、2019年より保険適用となりました。
使用する薬剤はボトックス®(A型ボツリヌス毒素製剤)です。膀胱壁内に注入すると神経終末に作用し、筋肉の過剰な収縮を抑える(筋弛緩作用)ことで、過活動膀胱や神経因性膀胱による頻尿・尿意切迫感・尿失禁などの症状を改善します。
≪適応≫
- 薬物治療が無効、または副作用などで使用できない難治性の過活動膀胱の患者さま
- 神経因性膀胱の患者さま
≪方法≫
痛みの軽減のため、膀胱内に局所麻酔薬を注入し、その後尿道から膀胱鏡を挿入します。
専用の細い針を用いて、膀胱の粘膜下にボトックス®を20-30か所(過活動膀胱の場合は20か所)に分けて注射します。所要時間は約10~20分程度で、外来での日帰り手術が可能です。
治療後は排尿していただき、超音波検査で残尿がないことを確認してからご帰宅いただけます。
≪効果と副作用≫
〇 効果
効果は通常、治療後2~3日ほどであらわれ始め、およそ4~8か月程度持続します(効果の強さや持続期間には個人差があります)。効果が数か月続くため、毎日の内服が不要になることもあります。十分な改善が得られない場合や、時間の経過とともに症状が再び出てきた場合には、前回の治療から4か月以上経過していれば、再度の注射を検討します。
〇 主な副作用
- 一時的な血尿(数日で改善することがほとんど)
- 排尿困難、尿閉(尿が出なくなる)
- 尿路感染症
- アレルギー反応
排尿困難や尿閉は男性にやや多くみられ、一般的には女性の方が安全に施行しやすい治療とされています。
※治療を受けられない方
以下に該当する場合は治療ができませんのでご了承ください。
- 現在、尿路感染症にかかっている患者さま
- 重度の排尿障害がある患者さま
- ボツリヌス毒素製剤でアレルギー反応を起こしたことがある患者さま
- 重症筋無力症など、全身の筋力低下を起こすご病気がある患者さま
- 万が一、尿閉となり自己導尿が必要になった場合に同意いただけない患者さま
- 妊娠・授乳中の患者さまなど
『ボトックス®膀胱壁内注入療法』は、お薬で十分な効果が得られずお困りの方にとって、有効な選択肢の一つです。ご希望や不安な点があれば、診察時に詳しくご説明いたします。症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。